葬儀の通夜とその翌日の告別式を営む斎場は、現代においてはチェーン店だったり、会員制だったりするところが多いです。斎場の式場には、正面に花に囲まれた遺影と祭壇があります。孫からのお菓子や灯篭が飾られていたり、小さめの花が並んでいます。両脇には、大きな花や中央に缶詰を配した花のような物が飾られていたりします。中央の通路は、お勤めをする住職とその付き添いのお坊様が通る道です。その通路を挟んで、右側には家族や親族が座ります。左側には、職場や地域の方、友人知人などが座るようになっています。故人のプロフィールや在りし日の写真をみせるスクリーンや音響設備を持っている会場も近頃では珍しくありません。司会の方の他に、移動する焼香の箱を載せたワゴンのようなものを動かしたり、お坊様のお経のための準備をする職員が両脇に計二名控えています。
一方、控え室では着替えをしたり、夕食が取れたり、式後の飲み物や食べ物が用意されていたりしています。祭壇も用意されていて、棺を会場から移動してきたりします。通夜から告別式までは、遺体のそばでたいている線香の火を絶やさぬよう、家族で交代で寝ないで番をします。この線香は工夫されていて、虫取りの線香のように渦巻き状になっています。長時間たいても大丈夫なように工夫されています。これがお別れの最後の夜ですから、心配しなくても不思議と眠くならないことが多いです。控えの部屋の傍らには、貸布団が積んであり、夜もふけてくると、それを敷いて皆で並んで仮眠をとるといった様子です。シャワーも付いていたりしますし、寝るときの雑魚寝だけ我慢すれば、普通の暮らしと変わらないほど何でも用意されています。
いくら自宅が近くであろうと、この日だけは故人とともにいたいという家族にとって、快適な環境を用意してくれています。調度品の準備の良さと、スタッフの方立ちのスピーディーで誠意のこもった飾らない真面目さで淡々と仕事こなす態度が望ましいです。葬儀会場を選ぶときには、運営する人達は勿論、控室の様子も確認して、親戚の人たちが快適に過ごし、気持ちよく儀式を終わらせることができるかどうかを十分に下見しておく必要があります。